皮膚の疾患は体質や生活習慣に由来するものが少なくなく、その治療には長い期間を要することもあります。そのため、患者様としてはすぐに病気を治せる「魔法の杖」がどこかにないかと、色々な病院を探し回りたいという思いに駆られることもおありでしょう。患者様をそのようなお気持ちにさせるのは、医学や医者の非力が原因にほかなりません。にもかかわらず、そのような患者様を侮蔑するドクターがいるとすれば、それは医師の傲慢以外の何物でもありません。

しかしながらその一方で、多くの場合、信頼できる医師のもとで根気よく治療を続けることが、結局は「急がば回れ」で快方への近道であるということも、私は医師として患者様にお伝えしなければなりません。患者様が「急がば回れ」と思えるような医師と出会われることこそが「魔法の杖」なのかもしれません。患者様にそう思っていただける医師にいつの日かなれるよう、毎日の診療にあたらせていただいております。

ご参考までに、よくみられる皮膚疾患の症状や治療法などについて「病気のおはなし」と題して愚見を記しました。今後とも随時更新してまいります。患者様の治療の一助となれば幸いです。