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【病気のおはなし】
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水虫(足白癬)

■症状

水虫は、白癬(はくせん)菌というカビの一種が足の皮膚の一番外側の角質層に寄生し、皮膚のタンパクを栄養源として増殖する感染症です。水虫というとかゆみが連想されますが、実際にはかゆみを伴わないこともしばしばで、かゆくないから水虫でないと考えるのは危険です。逆に、足の皮疹イコール水虫と早合点なさって、市販の水虫の薬を塗り続けたものの一向によくならないとおっしゃる患者様が少なくないのですが、足の皮膚病には様々なものがあるため、自己診断はおすすめできません。白癬菌の存在が顕微鏡で確認されて初めて水虫という診断を下すことができます。近年、日本での発症の男女比は1:1とされ、若い女性や小児にもみられる疾患です。上記のように水虫は感染症ですから、ご家族で他に水虫の方がいらっしゃる場合は、ご一緒に治療なさることが大切です。

また、水虫くらいと軽く考えられがちですが、糖尿病などの疾患をお持ちの方は注意が必要です。それらもともとお持ちの疾患により体の免疫機能が低下しているため、足が水虫になるとそこから化膿菌(化膿性炎症の原因となる細菌)が入りやすく、脚が炎症を起こして腫れたり、重症になると筋膜が広範囲に化膿して壊死したりする恐れがあります。重症の場合は外科的手術を行わないと高い確率で死に至ります。

水虫が寄生する角質層は外部の刺激や雑菌から体を守るために厚くできているので、一旦そこに白癬菌が入り込んでしまうと薬が浸透しにくく、なかなか死滅に至りません。白癬菌はカビなので、冬場のように低温で乾燥している状態ではおとなしくしていますが、高温多湿となる春先から夏場にかけて増殖して症状を悪化させます。発症部位別に、足は水虫(足白癬)、爪は爪水虫(爪白癬)、股はいんきんたむし(股部白癬)、体はたむし(体部白癬)、頭はしらくも(頭部白癬)などと呼ばれます。

足白癬の場合、多くは足の指の間や足の裏に生じます。足の指の間がジュクジュクただれて白くふやける湿ったタイプ、足の裏に小さな水ぶくれができた後に薄皮がカサカサむけるタイプ、足の裏がガサガサ厚くなるタイプなど様々です。

日常生活における注意点としては、水虫をうつす側にもうつされる側にもならないために、バスマットやスリッパの共有を避けることが大切です。また、皮がむける症状がみられる場合は、むけた皮からうつることもあるので、患者様やご家族などまわりの方は靴下をはかれるとよいでしょう。ただし、もちろん足の蒸れには注意が必要です。

■治療

治療には白癬菌の繁殖を抑制し、殺菌的な作用のある抗真菌薬の外用剤を塗るのが基本です。最近は効果の高い薬が増えましたが、症状が一見落ち着いたように思えても治療を中断しないことが大切です。白癬菌が完全に死滅する前に外用をやめてしまうと、残った白癬菌が再び増殖し、せっかく治りかけたものが再び悪い状態に戻ってしまうからです。ただし、ただれたタイプの水虫は皮膚内部の組織が露出してしまっている状態なので、そこにいきなり抗真菌薬を塗ると刺激になるばかりで効果が上がらないことがあります。また、その他のタイプの水虫でも、化膿やかぶれを伴っている場合は同様です。このような場合は、まずは抗真菌薬が効果を発揮できるような状態に治療してから、抗真菌剤の外用を始めることが大切です。

なお、重症の場合は、爪水虫(爪白癬)と同様に内服薬を使うこともできます。内服期間は通常3〜6カ月です。まれに肝臓にダメージを与えることがあるため、内服中は定期的な血液検査が必要です。

※以上は、一般的な症状や治療法などを記したもので、あくまで参考としてご覧ください。自己診断は避け、必ず皮膚科その他必要な医療機関を受診してください。
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